量子コンピューターとAIの融合 [無線工学・情報工学・通信工学研究会 活動報告(基礎編)]
[無線工学・情報工学・通信工学研究会 活動報告]
現在、AI(人工知能)の研究開発が進み、自動車の自動運転が現実味を帯びたり、将棋・囲碁・チェスでは、人間のプロ棋士にAIが勝利するというところまできた。また、クリエイティビティーが要求される創作分野にもAIの進出が進んできている。
AIの研究自体は、以前から行われてきていたのであるが、その進展が著しくなったのは、ここ数年である。
量子コンピューターの着想自体は、1900年代末期からあり、その研究開発は現在も盛んにおこなわれている。既に、一部商用利用がされており、カナダのD-Wave Systemsが量子アニーリング方式の量子コンピューター「D-Wave 2000Q」というシステムを発売している。
量子コンピューター関連の研究開発情報に関しては、npj Quantum Informationというオープンアクセスのサイトがあり、その最先端の情報を知ることができる。
AIの研究開発情報は、Artificial Intelligenceというジャーナルがあり、知ることができる。
Artificial Intelligenceの中に、以下のような記事がある。
Quantum computation, quantum theory and AI - ScienceDirect
量子コンピューターは、量子力学を応用した量子ビットにより、その処理性能を飛躍的に向上させる新しい構造のコンピューターシステムであるが、その高速の処理性能を持つシステムをAIに活用すれば、その能力は飛躍的に高くなるであろうことは確実である。現在、研究開発が進められていて、量子コンピューターの性能向上とともに、AI開発との融合が期待されている。
また、NASAやGoogleでも、Quantum ComputingとAIを活用した研究開発が行われている。
量子コンピューターとAIにより処理能力が非常に高いシステムが実用化された場合の未来社会がどのようなものになるか、不確定要素も非常に多いのであるが、現在とは全く異なった世界が現出するであろうことは想像することができるであろう。