【核心解説】日本経済復調のための多角的検討<第2回>「経済循環の促進の重要性」
皆さん、こんにちは。
今回は、日本経済復調のための多角的検討の第2回目として、「経済循環の促進の重要性」について論じてみたいと思います。
経済循環に関しては、日銀の「異次元の金融緩和政策」「マイナス金利政策」により、その環境は整えられました。しかし、「マネタリーベースの増加」→「企業の賃金上昇」→「消費者心理の改善」→「購買行動」→「物価上昇」→「企業の収益拡大」→「賃金上昇」→・・・という経済好循環は、全体的に見るとなかなか実現できていません。
何が問題なのでしょうか?
それは、「資金の偏在と滞留」です。
「企業の内部留保」もそうですし、「富裕層と貧困層の格差拡大」も同じ考え方です。「異次元の金融緩和」で増加した資金が、市中に回らず、一般市民の手の届かないところに「偏在し滞留してしまっている」だろうということです。
社会経済が循環しないと、ますます格差が拡大し、社会の二極化が進んでしまうでしょう。
循環を促進するためには、経済の諸要素を少しずつ改善し、全体的に良い雰囲気にもっていくことが、遠回りのようでいて近道です。第1回でも触れたように、「下降要因を徹底管理し、上昇要因をのばす」ことが重要ですので、経済循環に関しても、それを阻害している要因を一つづつ改善し、経済の好サイクルを現出することが重要です。
阻害要因として挙げられるのは、構造的要因と、感情的要因があります。構造的要因とは、単純に制度的な問題、社会システムの問題です。感情的要因は、消費者心理・投資家心理・デフレマインドの改善など、人間が消費行動に移る上での心理的・感情的な要素です。
これらの歯車が、カチッと噛みあった時に、経済循環の好サイクルは回りだすでしょう。そうしたらあとは、維持・発展させるだけです。
日銀も、金融緩和政策の効果を検証する会合を開いていますので、何らかの金融政策の改善もなされるでしょう。少しずつ歯車を噛み合わせていけば解決します。
次回は、「成長戦略に必要なプラス要素」について、触れてみたいと思います。