続・現代をみる

NHK Commentator No.7 Official Blog

【核心解説】日本経済復調のための多角的検討<第2回>「経済循環の促進の重要性」

皆さん、こんにちは。

 

今回は、日本経済復調のための多角的検討の第2回目として、「経済循環の促進の重要性」について論じてみたいと思います。

 

経済循環に関しては、日銀の「異次元の金融緩和政策」「マイナス金利政策」により、その環境は整えられました。しかし、「マネタリーベースの増加」→「企業の賃金上昇」→「消費者心理の改善」→「購買行動」→「物価上昇」→「企業の収益拡大」→「賃金上昇」→・・・という経済好循環は、全体的に見るとなかなか実現できていません。

 

何が問題なのでしょうか?

 

それは、「資金の偏在と滞留」です。

 

「企業の内部留保もそうですし、富裕層貧困層の格差拡大」も同じ考え方です。「異次元の金融緩和」で増加した資金が、市中に回らず、一般市民の手の届かないところに「偏在し滞留してしまっている」だろうということです。

 

社会経済が循環しないと、ますます格差が拡大し、社会の二極化が進んでしまうでしょう。

 

循環を促進するためには、経済の諸要素を少しずつ改善し、全体的に良い雰囲気にもっていくことが、遠回りのようでいて近道です。第1回でも触れたように、「下降要因を徹底管理し、上昇要因をのばす」ことが重要ですので、経済循環に関しても、それを阻害している要因を一つづつ改善し、経済の好サイクルを現出することが重要です。

 

阻害要因として挙げられるのは、構造的要因と、感情的要因があります。構造的要因とは、単純に制度的な問題、社会システムの問題です。感情的要因は、消費者心理・投資家心理・デフレマインドの改善など、人間が消費行動に移る上での心理的・感情的な要素です。

 

これらの歯車が、カチッと噛みあった時に、経済循環の好サイクルは回りだすでしょう。そうしたらあとは、維持・発展させるだけです。

 

日銀も、金融緩和政策の効果を検証する会合を開いていますので、何らかの金融政策の改善もなされるでしょう。少しずつ歯車を噛み合わせていけば解決します。

 

次回は、「成長戦略に必要なプラス要素」について、触れてみたいと思います。

 

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【核心解説】日本経済復調のための多角的検討<第1回>「リスク管理の徹底とその重要性」

皆さん、こんにちは。

 

今日から、日本経済の現状を鑑みて、「日本経済復調のための多角的検討」と題して、日本経済の復調のためには、現在どのような要素が必要かということについて、何回かに分けて、多角的な視点から論じてみたいと思います。

 

まず、第1回目の今回は、リスク管理の徹底とその重要性」と題して、日本経済の経済運営における、リスク管理の重要性について触れてみたいと思います。

 

かつて、日本経済は、バブル経済の崩壊という苦い経験をしました。その時は、高騰する株価・地価に夢中になり、誰もその経済が崩壊することについて予想だにしていませんでした。それは、まさに、「経済下降リスクを管理し、好調な経済を維持する」という視点に欠け、「我が世の春を謳歌する」ことにのみ人々の意識が行ってしまったことによる失敗です。

 

その失敗から学べることはいったい何でしょうか?

 

それは、「経済下降リスクを徹底的に管理し、経済上昇要因を徹底的に保護・育成・促進することによる、上昇の好スパイラルの維持」を経済運営の要として心掛けることです。

 

データ・状況などからのさまざまな検討から、日本経済の下降リスク要因はピックアップすることができます。そのピックアップされた、一つ一つのリスク要因に関して、それを下降に結びつけないように、管理し、策を講じていくことがまず第一です。

 

次に、経済の上昇要因を多角的にピックアップします。私も現在、いくつかの経済上昇要因をピックアップしてありますが、そこに、人的資源と経済的資源を重点的に投資して、保護・育成・開発促進を図ることが次に必要になってきます。

 

それらの多角的検討と、具体的な政策の実施の積み重ねにより、日本経済は「下降させずに上昇基調を維持する」ことが可能になるでしょう。

 

各論を話せば、まだいろいろあるのですが、次回第2回は、「経済循環の促進の重要性」に関して論じてみたいと思います。

 

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